よく新規取引先などに「何をやられている会社ですか?」と聞かれます。
 ここでは工苑という会社の近況(2010年時点)をお知らせします。

 (1)どんな仕事をしているのか?
 (2)量産部門(各種アンプ類)
 (3)開発部門(各種制御・試験装置)
 (4)商事部門(コントローラ販売)
 (5)自社製品開発
 (6)これからの工苑
 (7)油圧業界と工苑
 
どんな仕事をしているのか?

 
当社はもともと写真焼付け機などの写真用品の製造からはじまりました。
 昭和48年に現社長の野見山紘一が電気通信大学時代の仲間と共に電子応用機器の業務も手掛け、その後展開する中で建設機械や油圧制御の分野へ進出しました。


 売上に占める各部門の割合は上図の通りです。
 当社を支える三部門として、各種アンプ類(量産品)、モーションコントローラ類(代理店)、各種制御・試験装置があります。
量産部門(各種アンプ類)

 大手油圧バルブメーカ向けに油圧バルブ用アンプ(増幅器)を製造しています。バルブの種類も電磁比例弁やサーボ弁などが対象です。
 このほかに自社製品として、サーボ弁用アンプKSAMシリーズ比例弁用アンプKPAシリーズなどを製造し販売を行っています。


製造中の量産機種

自社製品KASM

 油圧以外にも振動試験用の(動電型)加振装置のアンプも製造しています。定番製品のほかお客様が希望する仕様に合わせ特注アンプも請け負っています。
開発部門(各種制御・試験装置)

 米国ガリル社のモーションコントローラを利用した多軸制御や地震体感装置、PICやMPUを応用した電子制御装置、建設機械(高所作業車やミニショベルなど)の電子制御などお客様の構想を整理して具体的な提案を行なっています。

 この部門は多くの知見と経験がモノをいいますが、自分のアイデアや工夫が生かせる仕事ができます。

 大手企業の試験研究や設備関連のため景気の影響を受けやすい部門と考えられますが、昨今の景気低迷からの脱却を目指して油圧装置のデジタル制御を提案。特に研究開発の分野で受注を増やしています。もっとも研究開発だけあって従来にない製造機械や耐久試験機などむずかしい部分もあり、勉強も欠かせません。


協力会社での油圧装置製造

内製中の油圧制御盤

 最近まで当社は電子制御を主としておりますので、油圧装置を製造する設備がありません。そこは油圧製造をお願いする協力会社とタッグを組んで油圧装置部と電子制御部を合体させて納品いたします。油圧のわかる当社が電子制御を行うことで、よくある油圧装置と電子制御部などを別々の会社に発注した際のトラブルを未然に防ぐことができ、お客様からもご好評をいただいております。

 これらの製品は完成までに2〜3ヶ月以上かかる場合があり売上に波が生じてしまいますが、取引金融機関のご支援と量産品などの売上によって安定した経営の上に当該部門が社業へ大きな貢献をしています。

 もちろん本来の多軸制御や電子制御なども引き続き行っていきます。制御装置だけでなくメカトロ分野も行なっております。
商事部門(コントローラ販売)

 米国企業からのモーションコントローラの代理店として販売も行なっています。
 ガリル社からはモーションコントローラ
 アドバンス社からはモータドライバ


アドバンス社モータドライバ

ガリル社コントローラ

 主力はガリル社のモーションコントローラで、半導体製造メーカをはじめ多様な製造メーカに納品しています。
 国内でもモーションコントローラはありますが、1ユニットで最大8軸を同期(さらに複数台のユニットと連携することも可能)して動作できコストパフォーマンスに優れること。また簡易言語でプログラム途中でも簡単に動作確認できる手軽さ。米国はじめ欧州や中国などの多くの企業で採用されています。

 もちろん当社製造の制御装置でも必要に応じて使っています。
自社製品開発

 平成22年(2010)は、神奈川県の新商品開発等支援事業の補助金をもとに油圧サーボ弁用のデジタルアンプを開発しています。


サーボ弁用デジタルアンプ

デジタルアンプの中身

 このアンプは、従来のアナログアンプと違い設定が簡単で、頻繁に設定値を変更する作業やいくつかのモードを区分けして使う。またUSBによってPCとの連携ができることが特徴です。
 同じく内部に登録されたプログラムによって条件に従った動作をさせること、さらには開発ソフトウェアによって自らカスタマイズすることも視野に入れたデジタルアンプです。

 上述の特徴から各社サーボ弁の種類をあまり選ぶことなく、これ単体で多くのサーボ弁に対応できるように開発中です。
 
 このほかに過去には高精度油圧テーブルなども開発したことがありました。
 日常業務や資金の問題はありますが新製品開発には前向きに考えていて、社員が将来の自社製品を提案することに大きな期待と持ち、またその支援を行ないます。
これからの工苑

 当社を取り巻く経済環境は厳しいものがありますが、それはどこの企業でも同じだと考えています。変化に合わせて自らも変化できた者だけが生き残れる。これは社員にもいえます。

 社長は常々「社員一人一人が事業主の心意気で仕事をしろ」といいます。そしてそういう社員がチームを組んだ会社こそが理想の会社だといっています。

 実際はなかなかそのようになるのはむずかしく当社もそのレベルには達していませんが、そのための場は工苑として用意されています。その場と自分を生かしていくのは社員一人一人でしょう。

 当社自身も変化に合わせて行かなければなりません。
 短期的には、
 (1)油圧デジタル制御の技術力アップとそれに合わせた事業展開
 (2)ガリル社モーションコントローラを利用したアプリケーションの開発
 (3)海外での事業展開の調査

 (1)について、もともと油圧装置まわりの電子制御も行なっていたとはいえ実際の油圧装置の設計や製造は協力工場頼みです。基本はこれからも協力工場のお力を借りていくことになりますが、やはり油圧とはどういうものか、という理解がなければならないと考えます。

 当社では4年前から油圧講習会などにも参加しており今年も2名が受講します。このほかに油圧サーボ技術者や油圧装置製造企業のメンバーと連携して会社としてのスキルアップを目指しています。

 (2)は当社で取り扱っていて、かつノウハウもありながら応用品を試作するなどしていませんでした。従来はあくまで“部品”として販売しておりました。これからの日本が少量多品種製造に移行するため大量に購入していただく機会は少なくなると考えます。そこで当社で応用品や試作品を作り、お客様に購入していただくか、試作品をもとに新たな提案をしていくやりかたを模索しています。

 最終的には商売のことを考えなければなりませんが、こういうことは好奇心を持っておもしろおかしくできる人に向いた仕事だと考えています。そういう意味で社員でなくても好奇心を持って頑張れるなら高校生でも構わないと考えています。

 さて(3)です。ここ数年ホームページに力をいれ、また油圧についても力を入れてきました。その甲斐あって問合せも増え受注も増えました。そして驚くことに中国からお話がありました。

 これは以前の工苑では考えられないことです。そして従来なら怪しんで断っていたことでしょう。しかし環境の変化が工苑の一部を変えました。目の前に飛び込んできたものがチャンスなのかどうか。しかし腹をくくって飛びつけばチャンスに変えることができ、また新たな世界が開ける。ダメならダメでさっさと撤退すればいい。

 何度かお付き合いするうちに、新聞などではわからなかった中国の現状が見えてきました。まだ仕事には結び付けてはいませんが、つながりを生かし知恵を絞って事業を行なってみたい。そんなチャレンジな年になりそうです。
油圧業界と工苑

 当社が事業化を進める油圧業界。
 イメージは3K職場ですしIT産業などの華々しさもなく、重厚長大な産業が軒並み斜陽化している中でイメージは暗い。

 しかし現代社会を支える技術として、今なおなくてはならない技術です。
 パワーショベルやブルドーザなど建設機械、ブレーキをはじめ自動車、航空機や船舶の舵、最近ではスカイスリーの防振ダンパーでも油圧が使われています。変わったところでは関西空港のターミナルが地盤沈下防止のために油圧ジャッキすることで水平維持しているとか、新幹線の高速走行と乗り心地をよくするためにアクティブサスペンションが使われているなど、油圧の活躍の場はまだまだあります。みえないところでしっかり社会を支えています。

 目に見える身近なところで活躍する油圧装置もあります。
 それは駅のエレベータ。普段見るエレベータは巻き上げ機(電動モータ)でワイヤーを巻き上げたりしてカゴを動かしています。


駅のエレベータ

駅のエレベータの巻き上げ機

 エレベータは普通、一番上に巻き上げ機(機械室)を置き、一番下には落下した時に備えた緩衝装置が置かれます。しかし古くからある駅だとエレベータを新設するのにスペースがない場合や建物の強度の問題もあります。そこでモータを小型化し緩衝装置と共に底部に設置する例もあります(上写真)。


シリンダ下部の油圧供給部

シリンダ上の動滑車部

 しかし底部を深く掘ることができない等の理由で巻き上げ機の設置場所はおろか緩衝装置も設置できない場合どうするか。

 そこで油圧が登場する場面があります。
 上の写真ではカゴの横に油圧シリンダを設置し、シリンダ上部の動滑車にワイヤーを巻きつけカゴの滑車にひっかけることでカゴを上下させる方式です。もちろん電動モータなどはありません。これだと底部は掘り下げる必要もなく、動力は配管を通して別の場所から油圧を供給することができます。つまり省スペース。

 さらにカゴを降ろす時は油圧弁を開放するだけでシリンダの中の油が抜けてるのでポンプを動かさずに降下させることもできそうです(実際にそうされているかは不明)。この方式だと省エネになりそうです。

 もっともいいことずくめならもっと油圧式が普及しますが、作動油は燃えるので消防法の規制を受けるとか、メンテナンスをする人が油圧を知っていなければならないとかあるのでしょう。

 ついに下のような薄型の巻き上げ機が登場しました。技術革新とはすごいものです。
 今度、駅を歩く時にはぜひエレベータを気にしてみてください。


薄型巻き上げ機

 電動でできるところは電動で、油圧の方がメリット(省スペース、高馬力など)があるようなら油圧を使う。こういう使い分けが本来いいのです。工苑はその使い分けができる会社です。電気ばかりで油圧を知らない企業も増えていますから、世の中にはまれに電動にしてしまいうまく動かない事例も中にはあります。

 油圧業界は華やかなところはないですが地道にやっていくぶんにはまだまだ仕事はあります。大儲けはできそうにありませんが、中小企業としてそこそこ経営していく分には充分な市場があります。

 勘違いされては困りますが、当社は油圧“制御”を生業とします。油圧のことは経験や勉強しても油圧装置自体を製造することは難しい。

 当社は上述のエレベータを例にとれば、エレベータのカゴを上げ下げしたりドアの開け閉め、緊急時の動作などの制御部分を行なうことが仕事になりますので、協力工場とタッグを組んでいくことが当社の得意分野である制御を生かせ、お客様のご期待に応えられることと考えています。

 もちろん環境の変化はありますから、未来永劫、油圧ばかりということは考えていません。空圧や水圧もあります。

 でも今は油圧制御の業務をメインでやっていきます。もともと電子制御をやってきて、それを生かした油圧のデジタル制御。その延長線上にあるものは何か。

 次のチャンスがあれば果敢に挑戦することを忘れません。
 またそのチャンスは社員ひとりひとりの中にあると信じています。
お問い合わせは…
フォーム  メール  044−811−3421
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